保健師の仕事

保健師は地域や企業といった広い範囲の病気を予防したり、そこにいる人々の健康を気づかう仕事です。看護師が病院にやって来る患者一人一人や一つ一つの病気を扱うのに対し、保健師はもっと全体的な視点で人々の健康について対応します。そのため保健師は、病気の予防や健康づくりの支援という活動を主に行っています。活動の場も保健所や保健センター以外に学校や企業にも広がっていてそれぞれに活動内容が異なります。
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健師の主な活動内容としては、「母子保健(妊娠や出産、育児に関する相談や予防接種など)」、「精神保健(精神疾患を抱えた住民に関する相談や、ひきこもり対策、自殺予防など)」、「感染症対策(インフルエンザや食中毒などの感染症への対策や情報提供、予防接種など)」等があげられます。他にも高齢者保健、難病保健、学校保健など地域や住民に合わせた活動内容があります。

保健師の働き方は、「行政保健師」「産業保健師」「養護教諭」の三つに別れます。

・行政保健師
健康な地域づくりのために保健所や保健センターといった行政機関で働く保健師。主な仕事は母子保健や担当地区の様々な健康相談ですが、自殺対策や生活習慣病予防などの活動もあります。市町村に設置される保健センターと違い、広い地域を扱う保健所では広範囲に及ぶ感染症や健康被害、自然災害までも扱うことになり、危機管理の視点も必要になります。

・産業保健師
労働災害を防止し、企業で働く人たちの健康管理に携わる仕事。企業に設置される健康管理センターや健康保険組合などが主な活動の場となります。単に病気になった社員の対応だけでなく、その企業全体の健康状態を診断し、職場の問題を指摘することも必要です。特に、最近はストレスやうつ病といった精神保健分野での活躍も期待されています。

・養護教諭
いわゆる「保健の先生」として学校に通う児童や生徒の健康管理を主な仕事とする働き方。日頃の生徒たちの怪我や病気の対応以外にも健康診断や悩みの相談に乗ることもあります。また、学校全体の健康問題にも留意し、風邪などの予防対策を行ったりします。現在は、学校でのいじめや自殺、不登校、ひきこもりといった問題も多く、担当教師などとも連携して対応することになります。養護教諭になるためには保健師資格を持った上で所定の単位を履修する必要があります。

保健師になるためには、前提として看護師の資格が必須です。その上で看護系の大学院や大学、専修学校などで一年以上養成課程を修了すれば保健師の国家資格受験資格が得られます。以前は一旦看護師になった人が大学へ編入して保健師になるというルートもよくありましたが、最近では編入を受け入れない大学も増えています。そのため、看護系大学にいる時点で看護師教育課程と合わせて保健師の教育課程を選択し、看護師と保健師の資格を同時に取ってしまうスタイルが増えています。大学によって学部には看護師教育課程のみを置き、保健師教育課程を大学院修士課程に設置するようにもなってきていますが、保健師を目指すのであれば看護師の勉強をする段階からそれを考えておいた方がよいと思われます。